個人的には、「もう半年」なのか、「まだ半年」なのか、正直なところ良く分かりません。
震災をきっかけに閉店に追いやられた商店や企業も少なくありませんが、少なくとも「見た目」だけなら、ば 仙台の街中などの津波被害の無かったところは殆ど震災前の姿に戻ったと言っても過言ではありません。でも、住宅地にはいると未だに修理されておらずブルーシートを被ったままの屋根が数多く残っているし、道路や壁などの傷みも完全修復には程遠いのが現実。一見普段の姿に戻ったように見える内陸部も、よく見ると未だに震災の傷跡が数多く残っています。
しかし、津波に襲われた沿岸部は悲惨な状態のままです。
自民党が強力に働きかけてようやく成立したがれき撤去法案の効果もあって、がれき類や流された船舶・自動車の撤去は、この2ヶ月程度でやっと進み始めた感はありますが、それもまだまだ完全ではなく、あの時のまま時間が止まっているような地域は少なくありません。
本当は、そんな地域の写真を撮って、被災地以外の地域では風化しつつある「東日本大震災」の現実を訴えようと思ったのですが、結果的に現場に行ってもカメラを向けることが出来ませんでした。あの震災の中で比較的軽い被害で済んだ自分のような人間が、そういう場所で気軽にカメラを向けて写真を撮るということが許されることなのか、あの津波で大きな被害を受けたり、亡くなられたりした人たちのことを思うと考えずには居られませんでした。カミさんなどは風化どころか被災地・被災者差別すら始まっている現実に非常に腹を立てていて「写真で情報発信するべきだ」というのですが、なかなか気持ちの踏ん切りが付かず、結局葛藤の中でシャッターを切ることが出来ませんでした。
津波に洗われ、がれき類の撤去が済んだ地域は、いまは一面緑に覆われています。その「緑」の正体は「雑草」。半年を経て、手入れのなされていない地域は鬱蒼とした雑草に覆われているのです。それは、取りも直さず、がれき撤去以外の「復旧」がなんら進んでいないと言うこと。流されてしまった家々や町も、何一つ元には戻っていません。「復興」どころか「復旧」に必要なビジョンも予算も政府からは示されず、町作りをするにも出来ないのです。
殆どの被災自治体は、自分たちに出来る範囲の事は一生懸命にやっています(仙台市は例外かも。奥山市長(民主党推薦)は震災は他人事だと思っている節があるし、市長が決断しないから市も動けない)。が、所詮自治体の出来ることには限界がある。あの被害規模は自治体レベルでどうにか出来る範囲をとっくに超えているのです。まさに国家レベルでの対処が必要な事態。
しかし、民主党政権は「脱原発」だの「再生可能エネルギー」などという事ばかりに現を抜かし、復旧・復興など二の次以下にしか考えていないのが現実。震災以降も、肝心な法案をほったらかしにしたまま訳の分からない“闇法案”ばかりを推進してみたり、開くべき国会を開かずに逃げ回ってみたり、挙げ句に信じられないような暴言ばかりが次々と出てくるなど、完全に当事者能力の無さを露呈しています。だから、被災地や被災者はいつまで経っても必要な法案や条例も整備されず、必要な資金も与えられない。民主党や政府の奴らはそれでも痛くも痒くも無いのでしょうが、被災者はそういう訳にはいかない。連中が事態を放置すればするほど、被災者と被災地の生活は破壊され、命は失われて行くのです。しかし、メディアもそういう事実を放置したまま民主党とそのシンパの口車に乗り、震災の事実を風化させる事に荷担している、それが現実。
全国的に「復興」や「がんばろう」などという言葉が“表向きだけ”あちこちで繰り返されていますが、それが中身の伴わない空疎な言葉に過ぎないという事を、被災地の人間はすでにみんな見抜いています。そんな空虚な言葉だけを掛けられても、正直「これ以上何をがんばれと?」と思うだけでしょう。そんなものよりも、まず「復旧」(「復興」ではない)に必要な環境(経済的な面も含めて)を提供してくれというのが本音でしょう。なぜなら、今もっとも足りないものがそれだから。
しかし、色々と見ていると、そんな被災者の気持ちを「甘え」「モンスター被災者」などと揶揄する連中ばかりが多くて辟易します。被災地の現実も知らずに、そんな心ない言葉を平気で吐ける連中がこんなにも多かったのかと絶望的な気分にすらなります。こんな事だから、復旧が進まないのも当然なんでしょう。少なくとも、阪神大震災の時にはそんな風潮は無かったように思いますが、それから比較すると、所詮東北は「白河以北...」という時代の感覚のままで未だに差別されているのだろうなという事も感じずにはいられません。 そして、その認識は恐らく正しいのでしょう。その結果が、半年を経ても惨状を呈したままの被災地の現状に直結しているのです。「日本人の助け合いの精神」?そんなものどこに行ってしまったんでしょうね。露骨な福島差別などを見ても、そう思わざるを得ません。
このままでは、半年どころか1年経とうが2年経とうが、復旧も復興も進みません。たぶん、津波や原発事故の被災地の惨状も、当分今のままになってしまうのでしょう。民主党が政権にいることが最大の害悪のひとつであることは言うまでもありませんが、それだけでなく「東北蔑視」の風潮に染まった日本人全体の意識の問題も大きく横たわっていることを忘れてはなりません。それがある限り、東日本大震災での被災地の、真の復旧・復興はあり得ません。
被災地には、外の人間が考えているほど「希望」などは転がっていない。
それを忘れないで欲しい。
震災で亡くなった方々の御冥福を、改めて祈らせていただきたいと思います。
合掌。
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